豆大福Bean Daifuku
当店一番のおすすめである豆大福は、もち米・豆・餡・塩のたった4つだけの材料で構成されています。
より良い材料を選び、その材料に作業を施し、組み合わせとバランスによって美味しい商品となるのです。
一
当店のもち米は初山別村産「北ゆきもち」を使用しております。
もち米選びは難しい作業のひとつで、どのような餅をつき、どのような作品(商品)に仕上げるかで、品種が変わるのです。
そこで札幌市東区・千野米穀店(徳永社長)の協力のもと、自分の理想とする作品の為、このもち米に辿り着きました。
十分に水分を含ませ、蒸したもち米の香りは非常に豊かでたまりません。そして杵つきしたもち米は甘く、柔らかく、コシのある餅となるのです。
二
豆大福の豆には「上富良野産赤えんどう」を使用しております。
輸入品が多い中で、道産の赤えんどうは非常に希少であり、やっとたどり着いたこの赤えんどう無しには、当店の豆大福はあり得なかったのです。
本来、豆大福とは赤えんどうを使ったもので、私が赤えんどうの豆大福でなければ作りたくなかったのです。赤えんどうを水で十分に戻し、塩をまぶし2度蒸しにしてはじめて餅に合わせます。
豆の香りが餅に移り、えも言えぬような美味しさに変わるのです。
三
餡の原料となる小豆は国産の殆どが道産ですが、当店では特に十勝産の物を中心に使用しています。餡は味のバランスを担うもので、その甘さは特に重要です。
今と昔では食べて美味しさを感じる菓子に求められる糖度が全く異なるため、作り手が一番神経を使うところでもあります。
餅生地と合わせた時、ちょうどいい甘さの餡を常に追求しております。
四
塩は本当に難しい素材で、当店では瀬戸内産の細かな目のものを使用しています。
舐めたとき・振った時・溶かした時・混ぜた時…用途によって違う表情を見せるのです。混ぜ込んだ時、餅の中で溶けやすく、塩味が柔らかく伸び拡がるものが、私の中の大福に使う塩の定義です。
4つの材量をバランスよく組み合わせ、丁寧に優しく包んで当店の豆大福は完成します。